韮崎市民俗資料館ブログ〜「にらみん」のお散歩日記〜
「にらみん」は韮崎市民俗資料館のニックネームです。伝えたいな~、このまちのいろんなトコやコト♪
今週の土曜日、3月19日(土)から、山梨県立博物館にて特別展「武田二十四将」がはじまります。
わが韮崎市からは、新府城下の家臣屋敷跡と考えられている「隠岐殿(おきどの)遺跡」出土の陶磁器などを出陳いたします!
「隠岐殿遺跡」は、今年の大河ドラマ「真田丸」のファンには見逃せませんよ。その訳はのちほど…。

特別展「武田二十四将 信玄を支えた家臣たちの姿」 (※終了しました) 

会場:山梨県立博物館 (笛吹市御坂町成田1501-1)
   電話 055-261-2631
URL: http://www.museum.pref.yamanashi.jp/

会期:平成28年3月19日(土)〜5月23日(月)
山梨県博 武田二十四将展ポスター
















隠岐殿遺跡(韮崎市中田町中条)は新府城から北東へ500mくらいの場所に位置しています。
新府共選場の東側です(現在は道路と畑になっています)。
















平成20年から21年にかけて発掘調査が行われ、斜面を造成した二段のテラスに礎石建物跡が2棟と掘立柱建物1棟が見つかりました。柱や青磁の釉薬に焼けた痕跡があることから、建物が焼失したことが分かりました。
出土品は、輸入陶磁器の破片(青磁の皿、盤、碗、白磁の皿、染付の皿など)、碁石、硯、すり鉢、茶道で用いる天目茶碗や棗(抹茶を入れる器)などが見つかっています。
中には、破片の湾曲から直径が40〜50cmにもなると推定される大皿もあります。

隠岐殿遺跡出土品の一例
隠岐殿出土品の一例













輸入陶磁器の染付の破片のうち新しいものは戦国時代末の物です。しかし、それよりも古い時代の青磁の破片も含まれており、それは当時高級品(権威の象徴)とされていた物です。いわば戦国時代において「アンティークの品」として尊ばれていた器ということですね。
また、建物に建て直した痕跡がないことから、建物と出土品の時代は一致すると考えられます。江戸時代の遺物は見つかっていません。

以上のことから、隠岐殿遺跡は戦国時代末の身分の高い人物(権威の象徴である唐渡りのアンティークの青磁を所有し、茶道をたしなむ)の屋敷跡であり、出土品もその時に屋敷の中で使われていた家財道具だと考えることが出来ます。

誰の屋敷なのか?
そして、これは勝頼が計画した「新府城下町」の一つとして整備された家臣屋敷なのか?
残念ながら、そこまで判断できる材料は見つかっていません。

ただし、遺跡名の元になったように、かつてこの場所は「隠岐殿」という字名で呼ばれていました。
そして、遺跡と一致する時期に「隠岐守」と名乗った武田家臣がいるのです。

それは「加津野昌春」。すなわち「真田信尹(のぶただ)」 (1547-1632)です。

真田安房守昌幸の弟で、「真田丸」の主人公である信繁から見ると叔父に当たります。『甲陽軍鑑』によると武田家には鑓奉行(騎馬十五騎、足軽十人)として仕えていました。
天正5年(1577)、武田家御一門の加津野家を相続して武田親類衆の家格となり、加津野一(市)右衛門尉昌春と名乗っていました。
天正8年(1580)の文書では「隠岐守」と名乗ったことが確認されています。
武田家滅亡後に真田姓に復し、名を信尹に改めたと考えられています。

ドラマでは、兄・昌幸の意を汲んで様々な武将との交渉役をつとめ、沈着かつ豪胆に兄を支える“切れ者”として描かれています。「叔父上のようになりたい!」と信繁に憧れのまなざしで見られ、徳川家康には「真田信尹、家臣に欲しいのぅ…」と言わしめたあの人です。
先日放送された海津城代の春日信達を調略する回では、冷徹な手段さえ辞さない姿で強烈な印象を残しましたね。

隠岐殿遺跡が「隠岐守」すなわち真田信尹の屋敷跡と確定できる証拠は、遺物の面でも文献の面でも残念ながらありません。
しかし、地元で伝えられてきた「隠岐殿」という地名の源が、「隠岐守の屋敷」にあるとしたら…?
遠い記憶を伝えるかすかな痕跡であるなら…?
そう考えるとワクワクしませんか?!

というわけで、大河ドラマファン、真田ファンの皆さま。
山梨県立博物館の「武田二十四将」展で隠岐殿遺跡の出土品をぜひご覧ください。

そして!4月上旬、桃の花が咲く時期になったらぜひ新府へ行ってみてください!
隠岐殿遺跡のすぐ近く、新府共選所のあたりはまさに「桃源郷」です。
左の丘が新府城跡
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