韮崎市民俗資料館ブログ〜「にらみん」のお散歩日記〜
「にらみん」は韮崎市民俗資料館のニックネームです。伝えたいな~、このまちのいろんなトコやコト♪
おひなさまと言えば、まさに絵に描いたような美人です。

現代では、ぱっちりした二重の大きな瞳、くるんとカールした長くてボリュームのあるまつ毛に憧れる女の子が多いように思います。
マスカラやアイライナー、付けまつ毛を駆使してそれを実現しようと工夫する女の子がたくさんいますね。
それが「美人」の一つの指標になっているのでしょうね。

そんな「目ヂカラ」のある21世紀美人も素敵ですが、明治から昭和のおひなさまに見られる「涼やかな目元」は、また違った美しさと艶やかさを匂い立たせています。

明治時代のおひなさま
明治時代のおひなさまの顔















昭和初期のおひなさま①
昭和初期のおひなさまの顔 1














昭和初期のおひなさま②
昭和初期のおひなさまの顔 2














どのおひなさまも、やや面長で、驚くほどあごが細くて鋭角です。
ほほのふくらみもあまりなく、あごに向かってシュっと絞られていく縦長のすっきりした輪郭をしています(ここが現代のおひなさまとの大きな違いだと思います)。
額も極端に狭いので、顔の上下がすぼまって見えます。

目は、目じりの上がった涼やかな印象で、目と目の間がやや狭い感じがします。
求心的な目鼻立ちといえるでしょう。

髪形を見ると、現代の女雛は髪を横にふくらませて結っていますが、これらの女雛は自然な感じで後ろに流して結っています。
そして、大きな冠を載せています。今は、額の上に小さな冠を着けているものが多いですね。(ティアラのような…)

ちなみに、こちらは昭和54年(1979)のおひなさまです。
昭和54年のおひなさま(顔)













目の見開きがやや大きくなり、顔の中に占める目の割合が多くなったように感じます。
写真では分かりにくいかもしれませんが、目の周りにまつ毛が描かれているのも、以前と異なるポイントです。
明らかに「目ヂカラ」が上がってきています。
唇もふっくらぽってりしています。

最大の違いは、あごに肉が付き、ほほもふっくらとして、輪郭が全体に丸みを帯びたことです。
あごや口角に抑揚がついたことで、写実的で実際の人間に近い骨格になってきました。
以前のものは、つるんとして抑揚のない卵の表面に目鼻があるような感じでしたものね。

とはいえ、切れ長で目じりの上がった涼やかな目元は健在です。

さらに時代は下って、2015年のおひなさまはどんなお顔なのでしょう。
いくつかの人形メーカーのサイトを見ると、顔の横幅が広くなり、顔の長さも縮まって、昔のような面長の輪郭ではなくなっているように感じます。
あごも丸くなり、全体として子供らしいあどけない丸顔になっている物が多いようです。

目じりの上がり方は少なく平らになり(中には垂れ目のおひなさまも!)、切れ長というより優しくつぶらな瞳です。

私の印象ですが、資料館に展示している明治から昭和初期のおひなさまは「大人の美人」、現在のおひなさまは「等身大の女の子」という感じです。
昔のおひなさまは“大きくなったらこうなりたい”と憧れる理想の美人を表し、今のおひなさまはそれを持つ女の子自身の姿を表しているように思えました。

おひなさまは絵に描いたような美人…ではもうないのかもしれません。
(もちろん、現在のおひなさまの顔立ちは作り手によって変わりますし、昔のおひなさまだって、紙雛や押絵雛、享保雛など多種多様なので、言い切ることなんてとても出来ないのですけれど…)
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