韮崎市民俗資料館ブログ〜「にらみん」のお散歩日記〜
「にらみん」は韮崎市民俗資料館のニックネームです。伝えたいな~、このまちのいろんなトコやコト♪
現在開催している食べ物関連展示コーナー「食べる×韮崎」ですが、2月22日(日)までを予定しています。
その後は展示替えをし、3月初めからひな人形と押絵雛を資料館に出したいと考えています。

さて、食べ物関連コーナーから今日は「ほうとう製麺機」をご紹介します。

ほうとう製麺機















山梨の名物料理といえば、まず筆頭に挙げる「ほうとう」。
(いまは甲府とりもつ煮を挙げる人が多いかもしれませんが…)
小麦粉を練って切った太くて平たい麺を、野菜たっぷりの味噌仕立ての汁で煮込んだ料理です。
麺をゆでることなく、生のまま汁の中に入れて加熱するのが特徴といえるでしょう。
(同じ太くて平たい麺でも、名古屋のきしめんとはそこが違います)
麺に付いた粉ごと煮るので、汁に適度なとろみが出ます。
寒い冬に体をあたためるにはぴったりですね。

現在、山梨県のスーパーではほうとうの麺が普通に売られています。
生タイプも乾麺のタイプもあり、家庭で簡単に作ることができます。

ですが、昔は既製品のほうとうの麺は売っていませんでした。
各家庭で生地を練り、うすくのばして包丁で切るか、あるいは「ほうとう製麺機」を使っていました。
製麺機は手回し式で、麺の生地をうすくのばしたり、一定の幅に切ることが出来る道具です。
イタリア料理で生パスタを作るときに使うパスタマシーンと同じですね。

ほうとう製麺機には、二つの機能があります。
練った生地を薄くのばす機能と、生地を一定の幅に切って麺にする機能です。
使い方を順に説明しましょう。写真を見ながらお読みください。

1 鉢で練った生地を、なまこのような形に細長くまとめます。

2 数センチくらいの厚みにスライスします(そうすると、楕円形の切り餅のような生地になります)

3 スライスした生地をローラーに入れ、ハンドルを回してのばします。
  のばした生地は新聞紙の上などに並べておきます。

4 一度では薄くのばしきれないので、何度か繰り返してローラーにかけてのばしていきます。
  圧延ローラーの間隔をねじで調整できるので、最初は厚めに設定しておき、徐々に狭めて薄くのばします。

ほうとう製麺機の解説 圧延編















5 生地をのばし終えたら、ハンドルを左に動かして歯車を切り替えます。
  そうすると、今度は麺を裁断する方のローラーが動くようになります。

5 のばした生地を木製のローラーに巻き付け、先端を裁断部分のローラーに差し込みます。

6 裁断のローラーには、溝の幅が異なる二種類がついていて、手前のローラーは幅広麺、奥のローラーは細い麺が作れます。作りたい幅のローラーに生地を差し込みます。

7 ハンドルを回すと、生地が一定の幅の麺がカットされて下から出てきます。

8 出来た麺は打ち粉をして麺箱などに入れておきます。

ほうとう製麺機の解説 裁断編














これは、展示しているほうとう製麺機の使い方です。
機種によっては、裁断する幅を変えられないものもありました。

ちなみに、ほうとう製麺機でスルメを切ることもあったそうです。
にらみんの家では、それで刃こぼれをして一台ダメにしてしまったそうですが…。
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現在開催している食べ物関連展示コーナー「食べる×韮崎」ですが、2月22日(日)までを予定しています。
その後は展示替えをし、3月初めからひな人形と押絵雛を資料館に出したいと考えています。

なお、2月から3月末にかけて蔵座敷の修復工事が予定されています。
蔵座敷にひな人形が展示できないため、資料館のケース内に4組程度のひな人形(内裏雛)を展示します。
蔵座敷でのひな飾り展示を楽しみにされていた皆様には申し訳ございません。

修復工事中は、安全のため蔵座敷室内の見学を停止する方向で検討しております。
室内の見学を停止する期間が具体的に決まりましたら、速やかにお知らせいたします。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願いいたします。
 
昨日、1月30日(金)に降雪がありましたので、その後の状況をお知らせいたします。

一晩あけた1月31日(土)の午前の状況ですが、韮崎市民俗資料館の付近の道路には、路面に雪はありません。

民俗資料館の駐車場にも雪はありませんので、通常どおりに駐車できます。
2015年1月31日朝の駐車場















資料館から蔵座敷に至るコンクリートおよび砂利の坂道は、歩いて通れる幅に雪かきをしてあります。
普通の靴でも歩けます。(すべりやすいのでヒールなどはお勧めしません)
2015年1月31日朝の蔵座敷前















蔵座敷から花子の生家ロケセットへ向かう道については、5㎝ほど積雪があります。
2015年1月31日朝 ロケセットへ向かう道
















歩いて通れる幅に雪かきをしてありますが、下が土のため完全には雪を除去できません。
少し残った雪の上を踏んで歩いていくことになりますのでご注意をお願いいたします。
また、気温が上がって解けていくと地面がぬかるむと思われます。
すべりにくく、汚れてもよい靴でのご来館をおすすめいたします。

ご不便をおかけいたしますが、何卒お気を付けのうえご見学下さいますようお願いいたします。
 
2015/01/28(水) 17:48:38

ロケセット前の「謎の道具」

昨日の日中は暖かくて過ごしやすかったですが、夜からぐっと冷えましたね。風も強く吹きました。
そのおかげかロケセット前の地面が乾いて、ジメジメした状態やアイスバーンが解消されました。

花子の生家ロケセットの周りにはたくさんの「昔の道具」が置いてあります。
そのほとんどは、韮崎や甲府において実際の生活に使われていた物です。
背負籠、ざる、釜、味噌樽、鋤、千歯こき、唐箕…さまざまあります。
小学校の社会科見学の際には、昔のくらしを学べる恰好の教材として活躍しています!

背負籠など














丁稚車














千歯こきなど















その中で、「これは何の道具ですか?」とお客様に訊かれる率NO.1なのが、下の写真の道具です。

まぶし折り機















木の箱のような物の左右に鉄板がついています。
さらに、その鉄板にはハンドル(持ち手)がついています。
ハンドルを持ち上げると、鉄板がパタンと閉まります。
箱に蓋をするような感じに動きます。

実はこれ、「まぶし(蔟)折り機」という養蚕の道具なんです。
「まぶし」というのは、蚕に繭を作らせるために入れる器具のことで、「もず」とも呼ばれます。
蚕が成長すると、繭を張りやすいよう藁などで出来た小さな小さな「部屋」に一匹ずつ入れるのですが、その部屋が「まぶし」です。
成長したお蚕を一匹ずつアパートに入居させるようなイメージでしょうか…

まぶしは、藁をジグザグに折り曲げて作られます(折藁蔟といいます)。
まぶし折り機に上から藁を挿しこみ、左右のハンドルを交互に動かして鉄板を開閉することで、藁をジグザグに折っていくのです。
波状に折り曲げられた藁を広げると、三角形のスペースが連続して出来ており、そこが繭を張るための各自の部屋になります。
まぶし折り機は大正時代に作られ、長いところでは昭和20年代まで使われていたそうです。

まぶしについて、シルクの里である中央市・豊富郷土資料館のまゆこさんのブログで勉強させて頂きました(養蚕のことなら、やはり豊富です!)。

↓中央市・豊富郷土資料館のまゆこさんのブログ

富子さんの部屋①〜③ 養蚕器具・蔟の変遷
http://toyokyoudos.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-e084.html
http://toyokyoudos.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-d2e8.html
http://toyokyoudos.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-d388.html

折藁蔟をつくってみた!
http://toyokyoudos.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-1bff.html

大正時代に登場したまぶし折り機ですが、昭和時代に入るとボール紙で出来た箱状の「回転まぶし」という新しい製品が普及して行きます。
回転まぶしの特許は、山梨県竜王村(いまの甲斐市)の斎藤直恵さんが大正13〜15年の間に取得し、全国的には昭和30年代に普及するそうですが、山梨県内では昭和15年には養蚕農家の半数がすでに使っていたそうです。

回転まぶしは、ボール紙で出来ていて吸湿性があることや、大量生産が可能であること、まぶしの中を長方形に整然と区画することで繭の大きさのバラつきが抑えられる、などの利点がある画期的なものでした。
回転まぶしは、現代の養蚕でもスタンダードに使われています。すごいですね!
 
先週の降雪から5日が経って、ロケセット前のぬかるみが以前より乾いて来ました。
とはいえ、まだ土が湿っていて、靴に泥がつく状態です。

また、ロケセットの前の庭には、残雪が凍ってアイスバーンになっている箇所があります。
柵がしてありますので、立ち入らないようお願いいたします。
見学の際に歩く通路には雪はありませんので、そちらをご通行下さい。
 
一昨日、1月15日(木) に雪が降り、当館では5㎝ほどの積雪がありました。

本日雪かきを行い、駐車場の雪はなくなりました。
通常通りに駐車できる状態です。

民俗資料館から蔵座敷および花子の生家ロケセットへ至る道につきましては、歩いて通れる幅に雪かきを行いました。

ただし、花子の生家ロケセット周辺については、解けた雪で地面がたいへんぬかるんでおります。
排水用の溝を掘って、できるかぎり水を抜くよう努めておりますが、水が乾くまでにはしばらく時間がかかると思われます。
蔵座敷および花子の生家ロケセットをご見学の際は、すべりにくく、汚れてもよい靴でおいで下さいますようお願い申し上げます。

また、朝晩の冷え込みで、このぬかるみが凍ってアイスバーンになる可能性があります。
ご見学の際は、転倒なさいませんようくれぐれも足元にご注意下さい

たいへん恐れ入りますが、何卒お願い申し上げます。

以下は、1月16日(金)午後の時点での蔵座敷・生家ロケセットの様子です。

蔵座敷へ向かう道
1月16日 蔵座敷へのアプローチ















教会の門の前
1月16日 教会の門の前の様子














蔵座敷からロケセットへ向かう道
1月16日 蔵座敷からロケセットのあいだ















生家ロケセットの前
雪の後でぬかるんでいます


 
2015/01/11(日) 13:21:02

「大正月」から「小正月」へ

華やかだった松の内もあっという間に過ぎ、お正月ムードも遠ざかって来たかな…?
などとも思うのですが、実はまだまだ!お正月の行事は続いているのです!

元日から1月7日までは、みなさんご存じの「大正月」。
それが過ぎて、1月11日は鏡餅を割って食べる「鏡開き」、同じ日には田の神様に松や酒などをお供えして豊作を祈る「田植え節句」も行われます(といっても、今でも田植え節句をしているおうちは少ないと思いますが…)。

そして、1月15日は「小正月」。
(正確には14日の日没から15日の日没までをいうそうです)
各地で道祖神祭りやどんどん焼き、繭玉だんご飾りなど、様々な行事が行われます。

正月の飾りや書初めを燃やし、その火で団子を焼いて食べる「どんどん焼き」は、山梨県内の各地で広く行われています。
(韮崎市や北杜市では、県内の他市町村に比べるとどんどん焼きは盛んではないようです)
その団子を食べると、風邪をひかないとか虫歯にならないとか言われています。

また、どんどん焼きの灰を持ち帰って家の周りに撒くと火事にならないとか、蛇やムカデが入ってこないと考える地域もあるそうです。
山梨県立博物館発行『やまなしの道祖神祭り』には、14日のどんどん焼きの灰と15日朝の小豆粥の釜を洗った水を混ぜて家の周りに撒く、という中央市東花輪の事例が紹介されています。
ちなみに、南アルプス市のある家では、この風習の簡略化された形として繭玉団子の茹で汁を家の周りに撒いています。
その際「蛇もムカデもどーけどけ」という歌をうたうのですが、東花輪の事例でもやはり同じ歌を歌います。

どんどん焼きのお団子は、数日前に作って梅やヤマボウシなどの木の枝に挿して飾っておきます。
団子の形は、普通の丸いものもあれば、養蚕がうまく行くように繭の形をしたものもあり、財産を表す米俵や小判、作物がよく育つように大根やナス、かぼちゃなどの形を作ることもあります。
(現代のトマト農家さんでは、やっぱりトマトの形の団子を作るそうです)

にらみんの展示室に飾ってある繭玉団子は、シンプルに紅白の丸い形です。
繭玉だんご



















ちなみに、これは新米にらみん家の昨年の団子です。ナス形の団子があります。
どんどん焼きの団子の例















どんどん焼きは14日の夜に行われるものですが、現代では参加しやすいように14日の直前の土日に実施することもよくあります。
ですから、本日11日(日)の夜、どんどん焼きの火が多くの場所で見られるのではないでしょうか?
ご注目ください。

 
新年あけましておめでとうございます!

今年も韮崎市民俗資料館(にらみん)に多くの皆様のご来館を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

なお、今年は1月1日から3日まで特別開館しております。
時間は通常よりやや短く、午前10時から午後3時までです。