韮崎市民俗資料館ブログ〜「にらみん」のお散歩日記〜
「にらみん」は韮崎市民俗資料館のニックネームです。伝えたいな~、このまちのいろんなトコやコト♪
ジグザグの坂道をがんばって登ってゆくと、「お山の神」と呼ばれる石のほこらと狛犬がありました(9時54分)。
丁石はないのですが、七丁目に相当すると考えられています。
山の神様を見学













山の神様のほこら












ここの狛犬さん、すごーく可愛いのです。にらみんお気に入りです。
眉毛がいいよね、と参加者の方もおっしゃっていました。

阿形さん。
かわいい狛犬















吽形さん。
吽形もかわいい















狛犬さんの足下に何本か竹が置かれていますが、これは弓と矢を表した奉納品です(一本だけ長いものが弓を表している)。
台座の銘文から、慶応4年(1868)に苗敷山のふもとの久保地区と竹ノ内地区の苗敷講によって奉納されたものと分かります。

お山の神様からさらに登っていくと、立派な石鳥居があります(10時46分)。
丁石はありませんが、十三丁目に相当すると考えられます。頂上まで半分のところですね。
鳥居の高さは約4.7m。鳥居を通して、ちょうど頂上の穂見神社奥宮を拝するように建っています。
石鳥居に到着
















鳥居の貫に「寛文四年」、脚元には「大工府中魚町二丁目大阪吉兵衛」の銘文があります。
1664年の建立ということになり、県内の記年銘を持つ石鳥居の中では古い部類に入るそうです。
鳥居の銘文














作ったのは、甲府の魚町二丁目(現在の甲府駅から南東へ徒歩10分ほど、印伝屋上原勇七本店のある「中央交差点」から少し北に上がったあたり。魚町二丁目には江戸時代、魚市場があった)に住んでいた大阪吉兵衛さんという大工ということが分かります。
堂々とした石鳥居から、いかに苗敷山が信仰の山として篤く敬われていたかが偲ばれますね。

鳥居から10分ほど登ると、絶景ポイントにたどり着きました(11時10分)。
富士山がきれいに見えます!
富士山が見えた












さらに20分ほど登ると、金峰山や八ヶ岳が見えるポイントに(11時33分)。
八ヶ岳、茅ヶ岳、金峰山













こうして見渡すと、苗敷山が単独の山として信仰を集めただけでなく、金峰山や八ヶ岳、茅ヶ岳、甲斐駒や鳳凰三山など、盆地をを囲む山々の信仰のネットワークの中にあったことが感じられます。

そこから少し登ると、十九と二十丁目の丁石がありました(11時39分)。
二十丁目















二十丁目を少し過ぎると、縁結びの社があったという「結び社跡」があり、石段と小さな平坦面と礎石がありました(11時41分)。

結び社跡からは、道の傾斜が険しくなり、木々の間の急坂を足下に気を付けながら慎重に登っていきます。
頂上まであとひと頑張り















30分ほどで、水が湧き出る水場に着きました(12時10分)。
西行歌碑と水場













ここは二十四丁目の丁石があり、かつて不動堂があったと言われ、今は平安時代の歌人・西行の歌碑が建っています。
江戸時代に苗敷山のふもとに住み、西行を尊敬した遠近庵引蝶(堀内引蝶)という俳人が句集を刊行したのち、その仲間たちと宝生寺(苗敷山穂見神社の別当寺)の住職が中心となって建立した、ということが碑文から分かります(天明7年=1787年)。

歌碑には「甲斐の国 こまの郡の 苗敷の そのから松の 下そすずしき」とありますが(実際は万葉仮名で刻まれています)、西行が詠んだものではなく、後世の偽作であろうと考えられています。
西行が訪れた地、という「西行伝説」ゆかりの場所と言えるでしょう。

歌碑から数分登ると(12時14分)、このウォークで一番の絶景が待っていました。
富士山と下界一望です。元気になりますね!頂上まであと少しです。
下界一望












12時17分、ついに穂見神社奥宮の石段にやってきました。ここを上がればゴール!
ついに石段へ
















すごく急だし、滑りやすいし、段の幅が狭くて上りにくいけど、細心の注意を払いながら本殿を目指します。
急だけどがんばる















12時24分、苗敷山穂見神社奥宮に到着しましたー!
穂見神社奥宮へゴール!














9時25分ころに集合場所を出発しましたから、ゆっくり歩いて2時間かかったことになります。
ゴールしたらお待ちかねのお弁当です。歩いたあとはひとしお美味しいですね。
スポンサーサイト
 
先日11月21日(土)、久しぶりの晴天に恵まれた好日、今年度第3回目となる「ふるさと歴史再発見ウォーク」が行われました。
今回は毎年11月恒例「信仰の山・苗敷山ウォーク」です。
小学生から70代の方まで、25名の皆様にご参加いただきました。

苗敷山は韮崎市域の南西端に位置し、御勅使川(みだいがわ)を挟んだ対岸は南アルプス市になります。旭山とも呼ばれ、標高は約1000m、比高差は約600mです。
山頂には五穀豊穣の守り神として篤い信仰を受けて来た苗敷山穂見神社奥宮が鎮座しており、私たちはそこを目指して登っていきます。

県立北病院の入り口に集合して出発です(9時25分)。めざすは緑色に見える山の頂上です↓
苗敷山頂をめざします












北病院の入り口から北に向かって5分ほど歩くと、竹ノ内集落に入ります。
いざ出発













ここには穂見神社の里宮があり、その裏から奥宮への参道(旧道)が始まります。
(旧道は畑の中にあり、現在使われている参道は旧道よりも北側になります)

まずは里宮を見学します(9時39分)。
穂見神社里宮 鳥居












里宮を見学













見逃せない物が、拝殿と本殿の間にあります。
木の根元に、何か石が立てかけてありますが…
木の根元の丁石













「元禄四年辛未歳 苗敷山初丁目 長右衛門」と刻まれた石です。
初丁目












これは「丁石」といい、参道に一町(約109m)ごとに立てられた、距離の目安となる石造物です。里宮は参道のスタート地点なので、「初丁目」の石があります。
(現在、1、2、3、19、20、21、23、24、26丁目の丁石が確認されています)

里宮の鳥居の前の道を道なりに登っていくのが、現在の参道です。集落を過ぎるとサル除けの柵があり、そこから登っていきます(柵は必ず閉めてください)。
本格的に山の中へ













※苗敷山は猿や鹿、猪のほか、熊が出没する可能性があります。
音の出る物を身に着け、一人では登らないようにご注意ください。また、気温の暖かい時期は山蛭がいます。その時期は、蛭が足下から入りこまないような服装をし、蛭除けのスプレーを持つなど対策が必要となります。

猿柵の右脇に、二丁目の丁石があります。(三のように見えますが、真ん中の線は後から浅く彫られたと見られ、三丁目の丁石は旧参道の別の場所にあります。)
二丁目













いよいよ本格的に山に登っていきます(9時49分)。→次回へつづく
 
来たる11月21日(土)に、「平成27年度 第3回 ふるさと歴史再発見ウォーク」が実施されます。
今回は、甲府盆地の「湖水伝説」にまつわるパワースポット「苗敷山」に登ります。
標高1000メートルの山頂に鎮座する穂見神社本殿、参道の途中にそびえる巨大な石鳥居などを巡って、身近にある“異界のオーラ”を体感してみませんか?

参加のお申込みは、韮崎市中央公民館 電話 0551-20-1115 へお願いいたします。
(民俗資料館では受付を行っておりません)

-----------------------------------
平成27年度 第3回 ふるさと歴史再発見ウォーク
「身近な異界のパワースポット 苗敷山」

■日時
平成27年11月21日(土) 9時集合~15時頃解散予定
※雨天中止

■集合場所
御勅使公園 駐車場(韮崎市旭町上條南割・県立北病院の入口にあります)
※南アルプス市の「御勅使南公園」とは別の場所ですので、ご注意ください!

■見学場所
苗敷山穂見神社本殿、参道の石鳥居など

■注意事項
片道2時間程度の山を登ります。雨天中止。
昼食や雨具等をご持参ください。

■定員
40名(申込み先着順)

■参加費
無料

■申込期間
平成27年11月18日(木) 午後4時まで

■お申込先
韮崎市中央公民館 0551-20-1115 (平日の9時~午後5時)
--------------------------------------

苗敷山の頂に鎮座する穂見神社奥宮本殿
苗敷山穂見神社奥宮本殿












参道(山道)の石鳥居
参道の石鳥居












人々が寄付した信仰の証、丁石
丁石












お天気が良ければ、富士山を望むみごとな景色が見られます。
参道の途中からの富士山















こんな木漏れ日のもとを歩ける晴天だといいですね!
木漏れ日












 
「広報にらさき」7月号でお知らせしていますが、7月25日(土)に「平成27年度第二回ふるさと歴史再発見ウォーク」が開催されます。
今回は、国登録文化財へと答申された名勝地「七里岩(屏風岩地点)」と祖母石(うばいし)地区を巡るウォークです。
本日7月7日より参加受付が開始されました。

お申込みは、韮崎中央公民館(韮崎駅前・ニコリの一階) 0551-20-1115 へお願いいたします。
(民俗資料館では受付を行っておりません)

-----------------------------------
ふるさと歴史再発見ウォーク「名勝地・七里岩と祖母石を巡るウォーク」

先日、国登録文化財に登録される見通しとなった「七里岩」の魅力にふれながら、釜無川の水と共生してきた甲州街道沿いの祖母石集落をめぐるウォーキングです。

■日時
平成27年7月25日(土) 9時~12時
■集合場所
 祖母石公民館
■見学場所
旧甲州街道・七里岩(屏風岩地点) ・ 姥石など
■定員
40名
■申込期間
7月7日 (火) ~ 23日 (木)
※平日の9時~17時
■申込先
韮崎中央公民館 0551-20-1115
--------------------------------------


 
北条時之供養塔を見学した後は、堅沢上橋のたもとから沢に沿った道を上ってゆきます。
滝を目指します
















30度を超える暑い日でしたが、沢音と木々の木陰には涼を感じることができました。
堅沢の上流へ
















そして歩くこと約40分、大滝に到着!
滝に到着















滝から発散されるしぶきと風とマイナスイオンに、心身ともに生き返るような心地になりました。
落差は3〜4mくらいでしょうか。中々に堂々とした佇まいの滝です!
マイナスイオン!















今回歩いた神山町北宮地地区では、豊かに水をたたえた美しい水田の広がりに目を奪われました。
その田んぼを潤している水系の一つが、この大滝がある堅沢です。

さて、大滝で「涼み」を味わって一休みしたら、来た道を引き返して堅沢上橋まで戻ります。
滝を見た後では、今までの風景が違って見えました。
水をたたえた田んぼ、その恵みの源がどこにあるのか…それを思うと、田んぼが尊く、どこか神聖なものに感じました。
堅沢の恵み















ウォークのゴール地点は、出発点と同じく武田八幡宮二の鳥居です。
そこを目指して最後のひと頑張りなのですが、途中には水に関して面白いポイントがあります。

堅沢上橋から沢沿いの道を歩いて数分下ってゆくと、右手側に満々と水をたたえた水路が現れます。これが徳島堰(釜無川から取水した江戸時代以来のの水路)です。
徳島堰を右手に見ながらさらに歩いてゆくと、堰がぐっとカーブして90度曲がる地点があります。
その直前、よーく見ると「水路が立体交差」しているポイントがあります。
徳島堰を越える水路















徳島堰をまたぐようにコンクリートの細い水路が作られているのです。
これはどういうことなのでしょう?
水路の立体交差














堰をまたいで流れているのは、堅沢から取水した水です。
この地域の田んぼの中には、堅沢からの水を使っているものと、徳島堰からの水を使っているものとがあります。利用している水の源が違う(利水権が違う)ので、わざわざ水路を分けているのですね。

米作りにとって水は決して欠かせないもの、まさに生命線です。水を使う権利というものは、今も昔も厳格に管理されています。こんなところにも、水の尊さを感じされられました。

水路の立体交差に感心した後は、徳島堰に沿って歩いて二の鳥居を目指します。
よく見ると、ほら…左手の田んぼの中に葉桜になった王仁塚の桜が!
しかも、田んぼの水面に映って「さかさ王仁塚の桜」が見えます!
さかさ王仁塚の桜!













王仁塚の桜は全国的に有名ですが、その魅力は花の咲く時期だけにとどまりません。
今、水田に水が張られている時だけに見られる「さかさ王仁塚の桜」。
ピンク色のあでやかな姿も良いですが、たくましく葉を茂らせた姿の二重写しには生命力があふれています。パワースポットと呼んでもいいと思います。

王仁塚の右手に目を移せば、富士山も見えますよ!
さかさ富士!?














さらに足元に目を移せば、おたまじゃくしもいたっ!
おたまじゃくしも

















ゴール直前まで、水の恵みとそれに育まれた命(米、桜、おたまじゃくし、そして私たち自身)の大切さを感じられるウォークとなりました。

9時にスタートしたウォークは、ぴったり正午!韮崎名物(?)お昼のメロディが流れる中でお開きとなりました。
暑い中ご参加くださった皆様、本当にお疲れ様でした。

次回のふるさと歴史再発見ウォークは、7月下旬に祖母石地区を散策する予定です。
詳しくは「広報にらさき」7月号でお知らせいたします。
(※ふるさと歴史再発見ウォークの申込み窓口は韮崎中央公民館となっております)